容器を通して、京料理を全国、世界へ ‐京朱雀道具町 勝藤屋‐
京都市下京区朱雀分木町、京都市中央市場第一市場近くに店舗を構える株式会社勝藤屋(以下、「勝藤屋」と称する。)。
「容器を通して、京料理を全国、世界に伝えていきたい。」
とビジョンを語るのは、今回インタビューをさせていただいた常務取締役の今井昭仁さん。
京都の料理人、飲食経営者に愛される勝藤屋の魅力に本稿では迫る。
●「折箱の先がけは勝藤屋。」
勝藤屋は大正10年(1921年)創業である。食品用包装資材を中心に取り扱う企業。創業当時はたこ焼きを入れる船皿やおにぎりを包む竹皮を取り扱っていたとのこと。そこから、2代目である今井勝太郎さんが折箱を開発した。これは、今でこそ一般的に用いられているものであるが、当時は住宅建材を食品容器に展開した先がけであり全国に広まっていったものであるそうだ。
写真のほとんどが勝藤屋オリジナルの折り箱 カラーバリエーションも豊富
●「ゼロから飲食店を始めたければ勝藤屋に声をかけてもらえれば良い。」
勝藤屋では食品用包装資材以外にも、食に関することは何でも取り扱っている。キッチンペーパー、白衣、長靴、包丁、陶器、厨房の設計・・・。各分野を専門にしている企業は多いが、食に関わる全般を取り扱っている企業は少ないと言う。これがお客様への提案力にも繋がること、お客様との多くの繋がりからニーズをとらえ、サービスに展開していることが勝藤屋の強みだそうだ。お客様ごとの商品(屋号を刻印するなど)も取り扱っており、商品数は2万品種に近いという。
陶器も取り扱っている 包丁だけでなく、白衣の取り扱いもある
ディスプレイマットに使用される和紙 京都ならではのちりめん山椒シール
●「オリジナルの商品をさらに企画し、勝藤屋でしか買えないものを提供していきたい。」
現在、環境負荷低減を意識するお客様が増えているという。包装資材は基本的に使い捨てであることから、プラスチック容器の廃棄がどうにか減らせないかと要求がくるそうだ。そこで勝藤屋では、紙での設計やバイオマスの使用などプラスチック廃棄量低減に繋がる商品開発も実施している。コストなどの課題は残るとのことだが、お客様の要望に応えること、より勝藤屋の商品価値を高めるための取り組みが非常に充実していることがわかる。また、勝藤屋には自社オリジナルの商品が存在する。自社内にデザイン専門の部署があり、店舗にもたくさんのオリジナル商品が並ぶ。さらに、自社オリジナルの折箱のサイズに合う紙袋なども自社デザインで取り扱っている。まさに、何でも揃うとはこのことだ。
秋にぴったりの勝藤屋オリジナル商品 包装紙の種類・デザインも豊富
●「お客様と話すのが楽しい。自社商品を使ってもらっているのを見ると嬉しい。」
最後に今井さんに勝藤屋での仕事の楽しさについて伺った。お客様に寄り添い、大きな価値を提供してきた勝藤屋で働いているからこそでてくる言葉なのだと感じる。魅力がたくさんの勝藤屋。ぜひ皆さんも勝藤屋の店舗で素敵なデザインのオリジナル商品を購入してみては?
(下京ローカルグッドレポーター:瀧尻 和哉)
2023.10.11