ほんこくじ本圀寺
水戸黄門ゆかりのお寺が下京区にあった⁉
―徳川光圀と本圀寺―
写真の大きな題目碑は、中世「皆法華」といわれ、洛中町衆の一大拠点であった「大本山 本圀寺」ゆかりの石碑です。本圀寺は1971(昭和46)年に山科区御陵に移転しましたが、元淳風小学校北西角の大宮通に面した西総門跡、元堀川警察署の南東角の堀川通に面した東総門跡にそれぞれ題目碑が立っています。本能寺、妙顕寺と並ぶ法華宗の中心寺院で、織田信長が将軍足利義昭を奉じて上洛した際も宿所となり、壮大な伽藍と要害が築かれていた当時の様子は宣教師ルイス・フロイスなども記録しています。江戸時代に水戸黄門の名で親しまれる徳川光圀が生母(久昌院)の追善供養を行って以来、光圀の庇護を受け、従来の寺名であった本國寺を本圀寺に改めました。
「圀」という字は、ある有名な中国の皇帝が新しく作らせた字で、「國」の「或」が「惑」(まどい)に通じることを嫌って、世界全体を意味する「八方」の字に入れ替えたという逸話があります。日本に伝わり現在までこの字が使われているのは「水戸光圀」と「本圀寺」という用例があるからとされています。
さて問題です。この「圀」の字を作らせた人物は唐の第3代皇帝高宗に寵愛され皇后となり、後に皇帝となった中国史上唯一の女性として有名ですが、この人物は誰でしょうか?
① 楊貴妃
② 則天武后(武則天)
③ 西太后
正解
② 則天武后(武則天)
このクイズは、京都検定1級をお持ちで区内にお住まいの方に出題していただいています。
※市民しんぶん下京区版「下京のひびき」令和3年6月15日号掲載時の内容です。あらかじめご了承ください。
2021.06.15