さいねんじ西念寺
寺宝を守り伝える西念寺と「千喜万悦天満宮」
洛陽天神二十五社の22番に数えられる「千喜万悦天満宮」は、「西念寺天満宮」とも言い、五条通南側、高倉通東の報國山西念寺の境内にあります。菅原道真公が、宇多天皇から右大臣に任命された喜びを描かせたという「菅家繁盛の絵図」とご尊像が祀られ、「千の喜び万の悦び」という名前の由来となっています。
西念寺は16世紀に源融の邸宅河原院跡に創建と伝わり、のちに豊臣秀吉により現在地に移されました。江戸期の豪商からの寄進の記録が今に残るなどかつて3つの末寺を持ち広大であった寺域は、明治の廃仏毀釈に続き昭和20年の戦時特別令による五条通50メートル拡幅でその大半を接収され、現在は4分の1ほどの規模となりました。
ご本尊の阿弥陀如来像は鎌倉時代の仏師湛慶の作であると推定され、令和3年、京都市指定文化財に指定されました。その仏像の厨子には菅原道真公ゆかりの梅の神紋が刻まれています。
また寺宝の「佛涅槃図」は、平成21 年の調査で平安時代後期の作と判明し大きなニュースとなりました。平成28年には国の重要文化財に認定され、檀信徒の子どもから大人までその保存のために浄財を積み上げて高額の費用をまかない、最近4年がかりの修復を終えました。苦難の歴史を越えて寺宝を守り、広く信仰を集めて地域に根ざすお寺です。
さて問題です。現存する数少ない平安時代の涅槃図は、東京国立博物館所蔵の一幅も重要文化財に指定されています。では、国宝に指定されている平安期の涅槃図は、どこの所蔵でしょうか。
① 高野山金剛峯寺
② 京都国立博物館
③ 比叡山延暦寺
千喜万悦天満宮(西念寺境内)
正解は市民しんぶん下京区版「下京のひびき」令和4年2月15日号に掲載します。
この問題は、京都検定1級をお持ちで、区内にお住まいの河本俊子さんに出題していただきました。
※市民しんぶん下京区版「下京のひびき」令和3年12月15日号掲載時の内容です。あらかじめご了承ください。
2021.12.09