下京おすすめplace COCON KARASUMA ~身近なアーティスティックスペースへ~
2022.10.24
「下京暮らしの手帖」上級編action38『小さな美術館博物館で学びの休日を過ごそう』に基づいて、地下鉄四条駅前にあるCOCON KARASUMAの3階へ行ってきました。そこで出会った個性豊かな芸術を紹介します。
- 『京都dddギャラリー』
グラフィックデザイン・アート専門の画廊です。私が行った時には、「dddDATABASE1991-2022」という展覧会が行われており、これまでの全231回分のグラフィックデザイン(ポスター)が展示されていました。また戦争の影響で文化の断絶を経験した東アジアの国々が、世界中のデザイナーと共に「design」という自国語に訳しようのないものを新たに生み出していく様が描かれた「Graphic West 7:YELLOW PAGES」という展覧会のポスターもありました。
意匠を凝らした個性的なデザインに囲まれていると、多様な価値観を肌で感じることができました。ジェンダーや年齢、肌の色などは関係なく、様々なルーツや価値観を持つ人々の作品が、「平等と自由から生まれる豊かさ」を感じさせてくれます。
- 『DNP京都太秦文化遺産ギャラリー』
「文化遺産の保存と継承」をテーマにしたギャラリーです。精密な複製作品に触れることができたり、3D作品となった美術工芸品を普段は見られない角度から眺めることができたりします。文化遺産アーカイブという、有形・無形の文化遺産を映像で記録したものもあります。
私は「重要文化財『杉本家住宅』」の祇園祭の様子や日常の暮らしについて描かれたものを見ました。“いつしか日本人が失ってしまった心豊かな暮らしの営みを、未来(あす)へつなげたい”という想いで作られたそうです。
高精細なレプリカやデジタル化されたアートを無料で体験できたことに驚くとともに、オリジナルが並ぶ美術館・博物館とは違った魅力も感じました。
- 『京都精華大学サテライトスペースkara-S』
ショップスペースとギャラリーからなる、京都精華大学の学外サテライトスペースです。ショップは大学の卒業生グループ「ZUURICH」がプロデュースしており、専門スタッフの審査を通ったハンドメイドの商品が沢山並んでいます。
また、ギャラリーは、学生・一般の方に公募し、企画が通った展覧会等をすることができます。私が訪れた時は「狼貧虎視(ろうどんこし)」という雛田コウさん、ふたみさんの二人展が行われていました。「狼貧虎視」は野心が旺盛なことの例えで、作品の方向性が全く違う2人が「欲深く、やってみたいことをやりたい放題やろう」というコンセプトで開催されたそうです。見ていると、「ものづくりは自由でいいんだ」と、気持ちが解き放たれていくのを感じます。
芸術には、普段私達を縛り付けている属性や時代を超える力があり、アーティストが自由自在に発信することで、様々な課題をつなげることができることを実感しました。
2023年には下京に京都市立芸術大学がやってきます。下京というまちが芸術を通して、ますます豊かな繋がりを実現する場所になればと思います。
(執筆者:下京ローカルグッドレポーター 建林)
各HP
『京都dddギャラリー』京都dddギャラリー (dnpfcp.jp)
『DNP京都太秦文化遺産ギャラリー』https://dnp-cultural-heritage.jp/
『京都精華大学サテライトスペースkara-S』http://www.kara-s.jp/
2022.10.24