京都の町並み、歴史・文化の象徴 ‘京町家’
私は、京都らしさを感じることができ、昔ながらの雰囲気を持つ、京町家・景観について以前から興味関心があり、今回調査をしました。京町家は近年、良さが見直され、京町家に住みたい、京町家で商売してみたい、といった需要が高まっています。一方で、保全・継承について検討することなく、取り壊しされることも少なくありません。また、空き家は増加しているにも関わらず、京町家は京都市全体で大幅に減失状態にあります。調べている中でも、京町家の継承・活用に悩まれている方がたくさんおられることを知りました。
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町屋を活用したホテル
これらの問題に対し、下京区の公益財団法人、京都市景観・まちづくりセンターでは、様々な取り組みをされていました。具体的には、相談サービスが充実していたり、京町家まちづくりファンドなどを利用した助成金制度が設けられていたり、さらには、「景観」を体系的に理解する講座なども開設されていました。実際に、京町家まちづくりファンド改修助成事業で、地域に愛された料亭の趣を活かし一部を宿泊施設、母屋のお座敷は開放とした山野邸、また、元々の住まいをギャラリー兼飲食エリアとした八田邸などが改修を行なった例として挙げられます。他にも、賃貸住宅やシェアオフィス、貸会場、シェアハウスなどにも活用されています。
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カフェ糖太朗店内
私も街歩きを行い 、カフェや宿泊施設に活用されている町屋をいくつも見つけました。そのうちの一つである、間之町通り沿いにあり、町屋を改修してカフェをされている糖太朗さんにお邪魔してみました。すると、頂いたものの味はもちろんおいしいのですが、建物からどこか懐かしいような感覚と、ぬくもりを感じました。また、すこし傷んだ柱などが逆に歴史を感じられて、アンティークでおしゃれだと思いました。このカフェで落ち着いたひと時を過ごしながら、このような趣を感じられる場所をもっともっと増やしたいと強く感じました。
京町家は現在の建築と造りも大きく異なり、住む場所としては拒む人もいるかもしれません。しかし、京都らしさを求めた観光客などに対して、カフェや宿泊施設は確かな需要があるといえます。また、京町家にも外観だけではわからないものなど、形はさまざまあるため、それぞれの京町家に合わせた多様な活かし方をすることも大切だと考えます。
最後に、京町家には、建物の視点だけでなく、四季折々の自然を感じる生活文化、暮らしの美学や生き方の哲学が凝縮されています。この貴重な財産を保全し、将来の世代に受け継いでいくために今の私たちにできることをしていきたいと思いました。きっかけの第一歩として、みなさんも京都市景観・まちづくりセンターを訪れてみませんか?
(下京ローカルグッドレポーター:山本 愛佳)
2023.10.11