下京路地裏ぶらり探訪記 ~路地裏ワンダーランド~
路地裏、そこは一本の細い路地に人々の生活空間が超高密度に詰め込まれた魅惑の空間…。現代の整然とした都市計画には絶対に見られないような猥雑さや、個々の路地に宿る無限の個性が、多くの人々を惹きつけてやまない。ほとんどの路地裏はGoogleストリートビュー非対応であり、観光地ではなくあくまでも生活空間としてひっそりと佇んでいるため、実際にその街を歩いた時にのみ発見できるお宝のようなものであると私は思う。非常に長い間都市として発展してきた歴史がある下京は、メインストリートから一本入るだけで様々な路地裏を訪ねることができる、いわば「路地裏ワンダーランド」である。本探訪記では下京まちあるきを通して筆者が特に心惹かれた路地裏を紹介していこうと思う。
まずは西酢屋町付近で見つけたこちらの路地裏。路地の奥にはお地蔵様が堂々と鎮座しており、高さの揃った軒が美しい。よく見ると路地の端に何やら小さなオブジェ?らしきものが。住民の方が置いたのだろうか?何にせよ路地の持つこのような個性は非常に魅力的である。
お次は諏訪開町付近で見つけたこちらの路地裏。白いコンクリート造の細い路地を進むと、そこには古いポンプが真ん中に置かれた小さな広場が。かつてはこのポンプを囲んで文字通り井戸端会議が繰り広げられたのだろうか…。何とも想像力を掻き立てられる路地裏である。
最後は永養寺町で見つけたこちらの路地裏。シックな色合いの町家が立ち並ぶ非常に美しい路地裏である。町家が面としてここまで残されている路地はなかなか珍しい。路地の途中には町単位の消火器ボックスが設置されており、火災対策もバッチリだ。
本探訪記では紙幅の関係上紹介しきれなかった路地裏がまだまだあり、そのどれもが魅力的である。皆様も是非自らの足でまちあるきをして、お気に入りのマイ路地裏を見つけてほしい。
(執筆者:下京ローカルグッドレポーター 池田芽生)
2022.10.11