まちのなかに溢れる自然~区民の誇りの木を巡る~
8月のある日、何気なく職場の近く、七条通りから高瀬川に沿って北上していくと、このようなものを発見しました。
「区民の誇りの木」?ほかにもたくさん木は植えられていましたが、このような表札はこの木だけのようです。気になり調べてみると、平成11~12年度にかけて、”次世代に伝えていきたい地域の古木、名木”として、各区民から推薦され、区民の代表者と専門家からなる委員会における審議の上、選定された木のようです。
下京区だけでも78本の区民の誇りの木があります。(平成11~12年度時点)
今回は、JR西大路駅付近の、区民の誇りの木を巡ってみます。
駅を降り、西大路通りを北へ少し行くと、さっそく1本目の区民の誇りの木が見つかりました。
立派なケヤキの木です。このあたりは歩道が広くとられており、写真の奥の方に見えるように、小さな広場のような空間もあります。
まちあるき中、街路樹はここ以外にも確認できました。
車道と樹木が隣り合わせで存在しているのは、改めてよく見ると不思議な感じがしますね。
2本目に見つけたのは、若一神社の正面、階段を上ったスペースにあるクスノキでした。
平清盛のお手植えと伝えられているこのクスノキは、樹齢800年を越す大樹です。若一神社の御神木として昔から大切にされており、西大路通りをつくる際には、この木を避けて道路を大きくカーブさせたそうです。
3本目は、若一神社の境内に植えられたクスノキです。
クスノキは、長寿でとても大きく育つ樹木です。火災の際に延焼を防ぐ効果があるとされており、各地の社寺境内でよく見られます。
実際に近くで木を見ると、幹の太さ、木の高さ、神社を覆うような枝葉の存在に圧倒される一方、包み込んでくれているような安心感や、サワサワと木の揺れる音が、心に落ち着きを与えてくれます。
普段何気なく歩いているところも、意識してみると意外とたくさんの緑に溢れています。
地域の方々が大切に守られてきた自然を、自分たちも次の世代に受け継いでいけるよう、大切にしていきたいと思いました。
(執筆者:下京ローカルグッドレポーター 大西真由)
<参考資料>
2022.10.24